
季節感あふれる噺なので年末からお正月に演じられることが多い。
大阪にある噺を江戸にもってきたものとされるが、もともとは江戸の噺。
上方でも演じられている艶笑噺の一席でもある。
艶笑噺は、俗にバレ噺ともいい、性、男女間の艶噺。
現在では、落語が本来持つ艶笑の意味も薄れてしまっているが、
情報の少なかった江戸時代にはこのような噺の存在は意味があった。
古くからある噺。「欲の熊蔵」「欲の熊鷹」などの題で演じられている。
「夢金」と呼ばれるようになったのは、比較的新しく明治から大正時代のことといわれる。
多くの名人上手に磨かれ現在残る形になったとされ、
鳳楽の大師匠六代目三遊亭圓生は「結果としてストーリーはたわいもないが、
登場人物の描き分け、言葉使い、情景描写が難しい噺で、
それをきちんと描ければ面白く聞ける噺」と言った。
「下手に演じたら聞いていられない噺」とも。