ある日、突然送りつけられてくる、身に覚えのない請求が、全国的に蔓延している。静岡県内でも今年4〜9月だけで4526件。10月は1000件を突破している。潜在的には30万件近く送付されているという見方もある。 使っていないアダルトサイト、借りていない借金の請求がその8割以上を占めている。郵便、メール、ファックス、電報、電話・・請求の手口は多岐にわたっている。請求の期限を間近に設定し、被害者の混乱を誘うのが常套手段だ。 ある女性は「息子の借金の請求、数時間後に30万円を振り込め」といわれ、確認をとらないまま振り込んでしまった。 また悪徳の資格商法にひっかかったことをきっかけに、その後、いわれのない請求が相次ぐケースもある。毎日のように職場に電話が入り、会社から良く思われていない人、請求を苦に自殺した人まで出ている。 請求業者は自分の正体を隠し、最近は携帯電話の番号しか知らせてこない。そこへ電話をすると、巧みに支払いに持ち込むという手口だ。自分の所の住所を知らせてきても、架空の場合が多い。今回の取材では2つの業者に直撃をかけたが、1ヶ所は番地そのものが存在せず、もう1ヶ所は他人の住所を借りたものだった。 匿名性が高いこととあわせ、架空請求は、人間心理の弱みをつくという点でも、いやらしい犯罪だ。数千円から数万円の請求額にして「それで事が済むなら払おう」と思わせることすらある。アダルトサイトの請求は、「もしかして知らないうちに妙なところに接続してしまったかも」という心理を誘った口実だ。またいかにも権威がありそうな名前を名乗り、「法的措置をとる」などのいかめしい言葉を使い、被害者を動揺させる。今のところ、抜本的な防止策はない。ではどうすればいいか。 請求を送りつけられてきても無視をするのが1番よい。しかし「それでは気になって仕方ない」という人は、身近な人や公的機関に相談すること。少なくとも気分は楽になる。請求の相手に自分の名前や住所、連絡先などは絶対に伝えてはいけない。そのデータは一人歩きし、また余計な架空請求を呼ぶことになる。
と、なぜ長々書いたか。 それは「これ以上被害が増えて欲しくない」という気持ちで取材したからです。だから読んだ方、引っかからないで下さい。 全く非のない、むしろおとなしくて善良な人がバカを見るのは、やっぱり納得できない。ホントにこのテの犯罪、せこいというか、タチが悪いというか・・・・・。
PS.業者または業者もどきへ 「人に迷惑かけるな!働け!」
取材 鈴木吉彦