<時代の空気を伝えるジャーナリズム>

「アクセス!静岡・土曜スコープ」は2001年4月にスタートし、只今3年目に入っています。

月〜金のSBSテレビ夕刊では伝えきれない「ニュース」や「企画モノ」をもう一度時間をかけてじっくり伝えようとするSBSの報道特集です。静岡に関するニュース・出来事を詳しく紹介したり、ニュースをヒューマンドキュメンタリーにしたり斬新な切り口で特集を制作しています。

これまで放送してきたものには「静清合併までのドキュメント」「松菱自己破産の日・ドキュメント」「大道芸人の人生」「アフガン現地リポート」「大物中学生力士の挑戦」などがあり、政治・経済・話題・スポーツ…様々なジャンルにカメラが鋭く、時に優しく入り込んできました。放送は生。スタジオゲストに森田実さん(政治評論家)、松木安太郎さん(サッカー解説)、山本昌邦監督など第一線で活躍する方を招いて「今」を熱く語ることもしてきました。

今後も土曜スコープは「静岡の今」にこだわり、SBS報道班が総力をあげ時代を鋭く斬っていきます。みなさまの温かいご支援をお願い申し上げます。

土曜スコープ プロデューサー水鳥誠
 



毎週土曜日 18:00〜18:30

澤木久雄キャスター
誕生日 10月21日
血液型 A型
出身地 浜松市
中澤志月キャスター
誕生日 10月1日
血液型 A型
出身地 埼玉県






番組の内容
2月7日(土)「富士山噴火はあるか?地震との関連は」

去年9月、富士山の山梨県側で噴気が発見された。ニュースでも扱ったが、かすかに白い蒸気が地表に噴き上げていた。温度は40度前後だという。周辺では地面の陥没も見つかったという。いまのところ火山活動との結びつきはないというのだが・・。

果たして富士山はまた噴火するのか?東海地震との関連は?関心の高いこれらの問題に挑む。


静岡の象徴であり、日本の象徴でもある富士山。しかし、富士山は「活火山」でもあります。

「もし、富士山が噴火したら」

タブー視されてきたとも言えるこの問題が、今、クローズアップされています。

この画像は、沼津市原の東海道筋に江戸時代から住んでいるお宅にあった絵図です。今からおよそ300年前の1707年に噴火した「宝永噴火」を描写しています。吹きあがった噴煙や、吹き出す火柱が見てとれます。
16日間で噴火活動は収まりました。

絵図には、ぽっかりと「宝永火口」ができています。
そして、この火口は現在も見ることができます。

絵図があったお宅から見た富士山に、同じ火口があるのです。
去年9月、富士山腹で噴気が見つかりました。現場は、山梨県側の標高1700メートルの林道斜面。付近では、14ヶ所の陥没も確認されました。

外気の温度が下がる12月になっても、噴気は35度前後を保ちました。これは、富士山の直下に、高温の熱水が含まれているとみられています。マグマの活動の中で、この熱水が更に地下水を温めて、噴気となった可能性があります。

現在までの調査では、火山活動とは直接結びつかないとの見方が有力です。しかし、富士山は活火山。いつ、こうした現象が起きても不思議ではないと、多くの専門家が指摘します。
2000年の秋。

富士山の異常なデータに、研究者は色めき立ちました。富士山の真下で、低周波地震が急増し始めたのです。

場所は、富士山頂の北東部に集中しています。

低周波地震は、9月から増え始め、11月には221回を記録しました。
この低周波地震は、マグマの活動が影響しているとみられます。うごめくマグマが、岩盤を押し広げることよって起きるとの説です。

しかし、2001年春には、ぴたりと収まりました。
では、いったい地下では、どんな活動が起きているのでしょうか。

低周波地震の多発をきっかけに、地震計が増設されました。現在、防災科学技術研究所、東京大学、気象庁合わせて16ヶ所に上ります。データは電話回線などで24時間配信されます。果たして、噴火は予測できるのでしょうか。

防災科学技術研究所・火山プロジェクトディレクター 鵜川元雄さんは、「現在、富士山の下のマグマだまりの状態が、噴火まで7割なのか、8割なのか、あるいは3割ぐらいなのか、今の火山学の知識では、分からない。ただ、噴火につながるような、マグマの上昇があると、今の観測網で検知できると思っている」と話します。
ここで、富士山の歴史をひも解いてみましょう。噴火は、東海・関東の大地震と、連動していることがうかがえます。

宝永(ほうえい)噴火は、「関東地震」に続いて起きた「東海地震」のわずか49日後に起きたのです。なんとも不気味です。
国の方でも、活火山としての富士山を正確に知り、防災に役立てようとする動きが活発になってきました。

住宅地への溶岩の到達時間を想定して色分けし、避難計画を立てようというのです。
その動きは地域にも。御殿場市は防災科学研究所と共に、溶岩流出のシミレーションを作成した。

1100度で吹き出した溶岩は、11日目に御殿場市の中心部や東名高速道路に到達します。

ちなみに、画像は98時間後を示しています。
御殿場市は、去年暮れ、富士山の噴火を想定した初めての防災訓練を行いました。

この訓練を、宝永噴火をもとにしたシナリオと重ねあわせてみました。

20XX年12月。富士山中で感じる地震活動が活発化しました。富士山周辺の自治体は、東京で緊急の会議を開いて、情報を収集し、対応を検討します。
12月15日の夜。

富士山麓で有感地震が活発化します。山腹の傾斜にも変化が現れ始めました。

16日未明、地震はマグニチュード5程度に強まります。

御殿場市は、警察や自衛隊と共に、災害対策本部を立ち上げ、「臨時火山情報」を出して、住民に注意を呼びかけるとともに、ハザードマップに従って、避難計画が検討されます。
16日、午前9時半。噴火が始まりました。

災害対策本部は住民の避難を決断し、同報無線を聞いた住民は、近くの公民館に避難します。火山灰を防ぐため、マスクにゴーグルを着用します。
溶岩が流出しました。住民が避難する公民館にも達する危険性が出てきました。

住民は用意された自衛隊車両に乗り込んで、安全な地区へと更に避難します。地域には、高齢者も多いです。早め早めの対応が肝心です。
富士山ハザードマップ検討委員会の荒牧重雄委員長は、

「富士山の噴火を見た人は誰もいない。従って、知識が低い。(噴火という)不意打ちに対して、出来る限りのことを用意しておく必要がある」

と話します。

   【澤木キャスター今週の総括】
富士山周辺での地殻活動にここ数年変化が顕われ出している。去年の「噴気」、数年前の「低周波地震」だ。誰だってこれらが気になるし、当然富士山の噴火や、東海地震との関連を想像するだろう。

こうした関心事に応えようということで今回の特集になった。でも本当のところはまだ正確に両方を結び付けるデータは得られていないというのが真実だ。今、様々な方法で研究が進められているというのが本当のところだ。しかし、すべての自然災害や自然現象について言えることだが、むやみやたらに脅えたり萎縮するのでなく、畏敬の念を持ちつつも人力で出来得ることを確実に遂行するしか対策はないということ。
現実には出来る限り発災後のダメージを低くするための事前対策を施すことだと思う。温暖化もそうだが、毎日の暮らしに不便が起きない限り人間というものは無頓着なものだ。
自然災害に対しては「想像力を働かせる」ことが大事だと僕は日頃から思っている。



   【中澤キャスターの一言】
富士山噴火…。私はただ眺めて美しさを堪能していただけで、考えてもみませんでした。活火山であることを忘れてはいけないんですね。予知はできても、実際に起こってしまったら、それ通りにはいかないでしょうけれど、対策や訓練はしておくべきです。日ごろ心がけておくことが大切だなと思いました。

それにしても最近の技術の発達により、CGなどで図解してもらえると、とても分かりやすいですよね。
今後も期待したい分野です。

ところで、最近携帯電話の調子が悪くて、左側3分の1のボタンが全く反応しなくなってしまったんです。メールを打つにもア行・タ行・マ行が使えず、なるべくその行を使わない文章を考えるのですが、なかなか難しい。とうとう先日、電話の機種を変更しに行ってきました。最新のテレビ付き携帯電話が2万3000円。う〜ん…。でも、新規にすると同じもので、1800円!この差に本当に驚きました。値段か、電話番号を変えるかに迷った末、未だにア・タ・マ行を抜かした文章を作っている、今日この頃です。



   【取材記者の裏話】
「富士山は活火山」です。しかし私は、小学校で「休火山だ」と教わった覚えがある。今回の取材で「そんな教育をした時代があったのか」と専門家に尋ねてみた。すると、「火山学的には、ありえません」との答え。しかし何人かが、やはり「休火山」と教わったという。噴火するという現実を、意識的に避けたかったのかもしれない。富士山は、美しい姿で私たちに安らぎを与えながらも、「活火山」としての活動を続けている。

その姿を確かめたい。そんな気持ちで、江戸時代の絵図を持つ沼津市の土屋家に取材にうかがった。3枚の絵図は、すばらしかった。「昼の図」「夜の図」「噴火後の図」。いずれも、情景を見事にとらえている。宝永噴火を間近に見た人々の驚きと戸惑いが、伝わってきた。土屋家の2階の窓を開けてくれた。目の前に、宝永噴火の跡。富士山が見える。当時の人々は、きっと心配しながら、昼も夜も噴火の推移を見守ったにちがいない。

それから、300年。富士山に今のところ、差し迫った噴火活動はないという。観測網も整備されているが、油断は大敵だ。

私は、1989年7月の伊東沖の海底噴火を体験している。突き上げてくるマグマの火山性微動に怯えた。小規模とはいえ、噴火音のすさまじさ。熱気が雲を呼んで、稲妻が空を走った。噴火のエネルギーは、すさまじい。

「もし、富士山が噴火したら」。これをタブー視してはいけない。荒牧東大名誉教授も言っていたが、「不意打ちを覚悟して不意打ちに備える姿勢」が防災の基本だ。
取材:伊藤充宏




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