<時代の空気を伝えるジャーナリズム>

「アクセス!静岡・土曜スコープ」は2001年4月にスタートし、只今3年目に入っています。

月〜金のSBSテレビ夕刊では伝えきれない「ニュース」や「企画モノ」をもう一度時間をかけてじっくり伝えようとするSBSの報道特集です。静岡に関するニュース・出来事を詳しく紹介したり、ニュースをヒューマンドキュメンタリーにしたり斬新な切り口で特集を制作しています。

これまで放送してきたものには「静清合併までのドキュメント」「松菱自己破産の日・ドキュメント」「大道芸人の人生」「アフガン現地リポート」「大物中学生力士の挑戦」などがあり、政治・経済・話題・スポーツ…様々なジャンルにカメラが鋭く、時に優しく入り込んできました。放送は生。スタジオゲストに森田実さん(政治評論家)、松木安太郎さん(サッカー解説)、山本昌邦監督など第一線で活躍する方を招いて「今」を熱く語ることもしてきました。

今後も土曜スコープは「静岡の今」にこだわり、SBS報道班が総力をあげ時代を鋭く斬っていきます。みなさまの温かいご支援をお願い申し上げます。

土曜スコープ プロデューサー水鳥誠
 



毎週土曜日 18:00〜18:30

澤木久雄キャスター
誕生日 10月21日
血液型 A型
出身地 浜松市
中澤志月キャスター
誕生日 10月1日
血液型 A型
出身地 埼玉県






番組の内容
2月14日(土)「深刻!産婦人科医不足・あなたの町は?」

知らなかった。今、産婦人科がピンチだなんて。総合病院などで産科担当の医師が不足していて様々な影響が地域に出始めているというのだ。

国や県は少子化対策に懸命で「産めよ増やせよ」と(昔、どこかの国で同じことを言っていたね)躍起になっているけど肝心な産婦人科が足りなくってはどうしようもないと思うけど・・。でもなんでまた産科医師が不足しはじめたの?全体の医師数は増えているのじゃないの?よく解らないなあ。しかもこれって全国的な問題なんだと。次回は生まれ出る命に関わる問題だ、ぜひ見て頂きたい。


榛原郡吉田町の主婦、増田さんは現在妊娠8カ月です。子供は2人目。1人目の時、普通分娩ではなかったので、2人目の時も何かあると困るため、総合病院に通っています。

その総合病院には、車で通っています。自宅からは40分の距離にある藤枝市です。しかし、近くには榛原総合病院もあります。

実は、その榛原総合病院の産科は去年7月から、一時休診に追い込まれているのです。婦人科の外来は週に3回。しかし、地元の総合病院では、子供が産めなくなってしまいました。
今月2月2日、藤枝市で志太榛原地域医療協議会が開かれ、産科の休診について意見が交わされました。

榛南地域以外でも、産科の休診については一大事と捉えているようです
榛原総合病院産科の休診は、地元にとって大きな打撃となりました。

榛原郡南部の4町(人口はおよそ9万人)から、地域医療の「核」が消えたからです。

さらに、開業医も減っています。かつて6つあった開業医も今では出産が可能なのは1つだけです。
この事態に、榛原町議会議員の中野康子さん、竹内初江さんは、妊婦さんたちの生の声を聞いて、診療再開を求める署名活動を行いました。集まった署名は1万6000人以上。

そこには、母親たちの切実な願いが込められていました。
竹内さんは、「私たちの時代では、生む場所を自宅なり、病院なり、選ぶことができました。しかし、選ぶことができずに、少子化に歯止めをというのは無理な話です。」と語ります。
妊婦さんたちにとっても、大変なことです。妊娠8カ月の増田さんは、病院まで往復1時間半という長時間の運転を強いられています。

運転中、シートベルトがお腹に負担をかけないよう、ベルトを動かしたり、洗濯バサミを使って工夫をしています。それにしても、無理をしている部分があるようです。運転後には、お腹が張っていました。
産婦人科の医師の数は、医師全体の増加分に対して、それほど増えてはいません。

なぜ、産科が休診という事態が起こったのでしょうか。
理由はいくつかあります。
まず、1つ目の理由に少子化があります。

浜松医科大学産婦人科の金山教授は、

「労働条件がきついなどを理由に学生が、最終的に産婦人科を選ばない。」

と話します。
学生たちはどう思っているのでしょうか。

「女性が産婦人科医をやるのは、患者にとっていいと思うが、男性の私がやるのはどうかと…。」
「他の分野の方が、より興味があるので。」
「いつ産まれるかわからないので、いつ呼び出されるかわからない。当直勤務も週2回から3回ある病院もある。」
「たくさん働いても給料は変わらない。」
「訴訟が多いなど、命を扱う上で、リスクが高すぎる。」

など、産科を敬遠する声が聞かれました。
もう1つの理由に新しい医師の研修制度があります。

これまでは、医学生が大学を卒業したあとの研修先は、ほどんとが出身大学でした。
それが、この春から研修先は自由になります。地方の病院にも行くようになりました。

国は地域医療に関心を高めてもらうのがねらいでした。しかし、これがかえって、地方の総合病院の医師不足を加速させました。
大学としては、研修医が地方にどんどん出て行くことで、自分のところの人数が不足するため、今度は、地方病院に派遣していた働き盛りの医師たちを能力があると見込んで、大学に引き上げを始めたのです。
この制度について、浜松医科大学金山教授も苦言を呈しています。
地方のための制度のはずが、逆に地方の首を絞める結果になっています。

この現状について、国では、「制度自体はいいものなので、現段階では、耐えてもらうしかない。」と話します。

   【澤木キャスター今週の総括】
正直、ここまで産婦人科医が不足しているなんて知らなかった。医学部の学生へのインタビューでも率直な応えが返ってきて、あまりの正直さにびっくりしたくらいだ。出産など仕事が不規則で肉体的に大変なことやそれに見合った給料がもらえないこと、男にとっての違和感まで、産婦人科を敬遠する理由が語られたけど、昔からそうだったの?という疑問が湧いてくる。だとしたら慢性的な産科医不足ということだから国家挙げて対策が必要になってくる。彼らの地位や名誉をもっと上げていかないとこれから益々なり手がなくなるということになる。

そうであってはまずい。若い医学生の産科嫌い返上のためのインセンテイブを早急に用意しなくては。一方で、大学病院の医局中心の研修を改める必要がある。ただしそれが地方病院からの医者の引き揚げを招くというのはあまりに皮肉な現象ではないか。制度の問題、医者の使命感、少子化と問題解決に向けて壁は厚い。



   【中澤キャスターの一言】
知り合いの産婦人科医が、いつもポケベル(当時は、今は携帯でしょう)を肌身離さず持っていて、時間に関係なく、よく呼び出されていたので、昼も夜も関係なく、仕事に追われているというのは知っていました。

今日のVTRの中で、研修医の一人が「リスクが大きい割りには、見返りが小さすぎる。」といっていましたが、これが本音かも知れないなと思いました。労働条件を考えると、他の科の医師よりも報酬は多くても良いはずが、全く同じ。これでは人気が下がっても致し方ないかなと。

昔は医師としてのロマンがあって、1つの命の誕生に立ち会える素晴らしい職場という考えもあったのでしょうけど、最近は不況の世の中。もちろんロマンがないと言ってませんが、若い人たちは現実的なのですね。

この状況を打破するには、魅力ある病院作りに加え、医師の待遇も考えていかなければならないですね。
私も将来お世話になる「予定」の科ですから、とても心配な問題です。



   【取材記者の裏話】
今回は、地域の産科医療の現実を取材した。かつてはあたり前のようにあった「総合病院」の産科。それがすでに崩れ始め、もはや地域を支える役割さえ果たせないケースも出てきている。現在妊娠中の方やその家族にとっては非常に大きな問題だ。中には、産科が充実した市へ引越しをした家族さえいるというのだ。

かつての「あたり前」が通用しない。安全神話の崩壊とも捉えられるだろう。しかも今後、更にその流れは加速するおそれもある。

「少子化対策を進める一方で産む場所を奪うような方策をとるのはおかしい!」当然の指摘だ。国の答えは「何とも言いようがない。」だった。ウーン、皆さんはどう考えますか?これで納得できますか?そして責任を問うのは国だけでいいのでしょうか?

コレ!という明快な解決策が見当たらない現状。皆さんのご意見をぜひ聞かせて頂きたいと思います。
取材:白枝秀崇




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