榛原郡吉田町の主婦、増田さんは現在妊娠8カ月です。子供は2人目。1人目の時、普通分娩ではなかったので、2人目の時も何かあると困るため、総合病院に通っています。
その総合病院には、車で通っています。自宅からは40分の距離にある藤枝市です。しかし、近くには榛原総合病院もあります。
実は、その榛原総合病院の産科は去年7月から、一時休診に追い込まれているのです。婦人科の外来は週に3回。しかし、地元の総合病院では、子供が産めなくなってしまいました。 |
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今月2月2日、藤枝市で志太榛原地域医療協議会が開かれ、産科の休診について意見が交わされました。
榛南地域以外でも、産科の休診については一大事と捉えているようです。 |
榛原総合病院産科の休診は、地元にとって大きな打撃となりました。
榛原郡南部の4町(人口はおよそ9万人)から、地域医療の「核」が消えたからです。
さらに、開業医も減っています。かつて6つあった開業医も今では出産が可能なのは1つだけです。
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この事態に、榛原町議会議員の中野康子さん、竹内初江さんは、妊婦さんたちの生の声を聞いて、診療再開を求める署名活動を行いました。集まった署名は1万6000人以上。
そこには、母親たちの切実な願いが込められていました。
竹内さんは、「私たちの時代では、生む場所を自宅なり、病院なり、選ぶことができました。しかし、選ぶことができずに、少子化に歯止めをというのは無理な話です。」と語ります。 |
妊婦さんたちにとっても、大変なことです。妊娠8カ月の増田さんは、病院まで往復1時間半という長時間の運転を強いられています。
運転中、シートベルトがお腹に負担をかけないよう、ベルトを動かしたり、洗濯バサミを使って工夫をしています。それにしても、無理をしている部分があるようです。運転後には、お腹が張っていました。 |
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産婦人科の医師の数は、医師全体の増加分に対して、それほど増えてはいません。
なぜ、産科が休診という事態が起こったのでしょうか。
理由はいくつかあります。 |
まず、1つ目の理由に少子化があります。
浜松医科大学産婦人科の金山教授は、
「労働条件がきついなどを理由に学生が、最終的に産婦人科を選ばない。」
と話します。 |
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学生たちはどう思っているのでしょうか。
「女性が産婦人科医をやるのは、患者にとっていいと思うが、男性の私がやるのはどうかと…。」
「他の分野の方が、より興味があるので。」
「いつ産まれるかわからないので、いつ呼び出されるかわからない。当直勤務も週2回から3回ある病院もある。」
「たくさん働いても給料は変わらない。」
「訴訟が多いなど、命を扱う上で、リスクが高すぎる。」
など、産科を敬遠する声が聞かれました。 |
もう1つの理由に新しい医師の研修制度があります。
これまでは、医学生が大学を卒業したあとの研修先は、ほどんとが出身大学でした。 |
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それが、この春から研修先は自由になります。地方の病院にも行くようになりました。
国は地域医療に関心を高めてもらうのがねらいでした。しかし、これがかえって、地方の総合病院の医師不足を加速させました。 |
| 大学としては、研修医が地方にどんどん出て行くことで、自分のところの人数が不足するため、今度は、地方病院に派遣していた働き盛りの医師たちを能力があると見込んで、大学に引き上げを始めたのです。 |
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この制度について、浜松医科大学金山教授も苦言を呈しています。 |
地方のための制度のはずが、逆に地方の首を絞める結果になっています。
この現状について、国では、「制度自体はいいものなので、現段階では、耐えてもらうしかない。」と話します。
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