テレビ夕刊
野路毅彦の気になった特集週1便

【2004年1月8日】

2004年のテレビ夕刊は、1月5日(月)から、スタートしました。今年もどうぞ宜しくお願いします。

さて、このスタートの週の1月8日(木)に、段差や坂道に強い、新しいタイプの車椅子が、試作・試乗されたニュースをお送りしました。
作ったのは、斉藤和夫さん(63)。

会社を定年退職後、静岡文化芸術大学に入った斉藤さんが卒業制作として取り組みました。

この斉藤さんが作った車椅子の最大の特徴は、手で動かす大きなタイヤ(駆動輪)の前だけでなく後ろにもキャスターが付いていることです。そして、その前キャスターと後ろキャスターがシーソー構造になっていて、状況に応じて、接地したり(動き出しのきっかけになったり、安定するための支えになったり)接地しなかったり(機動性を上げたり)と、バランス良く働くよう工夫がされています。
例えば、路面のでこぼこなどに車椅子がはまって、動けなくなってしまう原因は前キャスターに体重がかかった状態で、前キャスターが窪みに入ってしまうことでした。

しかし、前後キャスターにシーソー構造のある、新・車椅子では、こういう場面で、「前キャスターの荷重解除、後ろキャスター接地」という具合に切り替わってくれるので脱出は容易になります。

また、車椅子使用者が、高くなる段差を乗り越えようとするとき、これまでは、前キャスターを持ち上げるようにして、段の上に載せ、力いっぱい駆動輪を手で漕いで、乗り越える作業が必要でしたが、斉藤さんが作った車椅子では、段差にそのままぶつかって行くように進むと、前キャスターの軸が、乗り手側に折れ曲がることによって、前キャスターの車輪が楽に段の上に乗りスムーズに、車椅子全体が段の上にのぼるという仕組みになっています。
一方では、「バリアフリー」の考え方が進んで、車椅子の人にとってやさしい施設づくり・街づくりが意識されるようになってきています。
そんな中で、やや見落とされがちだったのが、意外と「バリア」に強い車椅子づくり、車椅子の改良という点ではなかったか、と思うのです。
「バリアフリー」と「バリアに強い車椅子」この2つの考え方が同時に進めば、車椅子利用者の利便性が、加速的に向上するのではないでしょうか?



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