テレビ夕刊
野路毅彦の気になった特集週1便

【2004年7月30日】
7月30日(金)、第86回全国高等学校野球選手権静岡大会の決勝戦が行われ、東海大翔洋が前半の大きなリードによって、追いすがる静岡商から逃げ切って、翔洋として初の甲子園切符を手にしました。
序盤、静岡商の内野陣にエラーが3イニング連続で出て、3回までに東海大翔洋が4−0とリードします。東海大翔洋の川口に対して、ヒットが単発でしか出ない静岡商は、中盤にも翔洋の川口・斉藤という3番・4番の2者連続タイムリー2ベースによって、2点を加えられ6−0とされました。


この辺りから、静岡商の見城監督は、続々と控えの選手を試合に登場させます。戦略的な選手交代というよりは、むしろ、「控えの選手にも決勝の舞台を味あわせてやろう」「今大会出場がなかった選手を試合に出してやろう」という、温情的な采配では?とも思われました。
しかしながら、その控えの選手たちが、土壇場で、驚異的な粘りを見せるのです。
まず、8回裏に、今大会出場のなかった代打八木が、詰まりながらもセンター前へ運ぶヒットでつなぎこれまで伝令役で、やはり出場なかった、続く代打諏訪部も、ランナー1塁2塁から、三塁手のグラブをわずかに弾いて、レフトへ達するヒットで、静岡商は1点を返しました。



そして9回裏にはキャプテン曲田のヒットや相手エラーで作った無死満塁のチャンスに、今大会出場無しで、この試合途中出場の国松がセンター前にきれいに弾き返して、7−2。さらに、序盤はエラーで、足を引っ張った3番サード杉岡が、右中間を破る2ベースで、2者返り、7−4。4番岡野は三振に倒れましたが、続く4番手ピッチャーの高寺(打席に入ることすら想定されていなかったかもしれない9回裏7人目の打者です)のショートへのゴロの間に、3塁ランナー返って7−5。
ここで、2塁ランナーがサードオーバーランで刺されたのは、痛かったのですが、やはり今大会初出場で、途中からショートの守備に入っていた沢田が、フォアボールを良く選んで同点のランナーとして塁に出ました。残念ながら、次の7番青島はピッチャーゴロで、ジ・エンドとなったのですが、素晴らしい粘りを見せてもらいました。

 

そう言えば、見城監督は、試合前の記者会見で、「今年、決勝まで進出できたのは、ベンチ入り出来なかった選手も含めて、3年生が非常に良くまとまっていたから」と語っていました。
その「原点」のようなものに、ダグアウトの中で思いが至ったならば、劣勢で思うようにいかないゲームを、「18人の力」で打開してみようという発想だったのかもしれません。僕は、普段出場の無い選手が、これだけつないだゲームをはじめてみました。
静岡商にとって、30年ぶりの夏の甲子園出場に匹敵する、価値のある粘り、そして決勝での
戦いだったと思います。


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