テレビ夕刊
今月の特集

6月16日 医療は今(3)「女性外来」
女性外来は、新しい医療の形として注目されています。
性差を大切に、また患者個人を“まるごと”みようという医療で、首都圏では予約が3ヶ月待ちという病院まであります。
県内はどうなのでしょうか。

今年1月、知事に対して、女性外来の設置を求める51万人余りの署名が提出されました。
男性医師には話しにくい身体の悩みや精神的な相談など、女性医師にゆっくり聞いて欲しいと訴えています。
こんな声もあります。
「中高年になると産婦人科に行きにくい」
「男性医師のデリカシーのない態度に傷ついた」

女性外来の特徴は…
●女性医師が担当
●病名が分からなくても相談できる
●ゆっくり時間をかけて診察

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千葉県は、女性外来の先進地。
2年前、女性外来を開設した東金病院です。
4人の女性医師が対応、診療は予約制で、1人30分以上の時間をかけ、プライバシーに配慮した個室で話を聞いてくれます。
病名が分からず病院でたらい回しにされ、ここに駆け込む人もいます。
「女性特有の症状は、更年期障害だけでなく、偏頭痛や骨粗しょう症、慢性疲労など。
精神的なものが影響し、個人差が大きいことや、人によって症状が違うので、これまで病気ではないと片付けられたりすることもあった」
天野恵子副院長は、女性が全てを相談できる女性外来の意義をこう語ります。
女性特有の難病が発見された例もあります。

しかし、残念ながら県内に女性外来はありません。
県病院局は、「県立総合病院に設置したいと考え、女性医師の勉強会を開いている」と説明。
しかし、県立総合病院は「まだコメントできない」とし、準備は進んでいない様子です。

体制作りの壁は何か。
1つは人材不足です。
今年3月まで、更年期外来を設置していた聖隷浜松病院は、医師の転勤が理由で閉鎖しました。
国内の女性医師は全体の役14パーセント。
この中で、患者の精神的な背景まで含めて診断できる人材は不足しています。
一方で、大病院は町のクリニックと連携し、高度先進医療を必要とする患者を受け入れています。
相談中心で、患者の診断を1から始める女性外来は、大病院には対応しにくいのです。

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さらにもう1つ、ゆっくり時間をかけて診療しても、現在の報酬システムでは医師の報酬になりません。
“相談”の時間は、点数にならないのです。
個人病院1つでは、取り組みにくい理由です。

各科の専門医、特に内科・精神科・産婦人科などの連携も考えられる1つの方法です。
男女問わず病名の分からない人を受け入れる総合診療という科もありますが、まだまだ数は少なく、人材が揃うまで待っていたら、女性外来はいつになってもできません。
“静岡で可能な形”を探す必要があります。

医療は専門化が進み、患者が漠然とした悩みや原因不明の不調を訴えた時、どこの科で診察を受ければ良いのか分からないという状況があります。
『病気』ではなく、その『個人がどんな問題を抱えているか』総合的にみよう、という考え方が出てきたのは、この反省からです。
また、“女性特有の症状”も考えるべき、という声もあり、これが女性外来の生まれた背景です。
千葉県立東金病院は、千葉県内でアクセスの悪い場所にあるにもかかわらず、1ヵ月先まで予約がいっぱいです。
女性外来への要望がどれほど大きいか、うかがい知る事ができます。
さて、静岡県はどう答えるのでしょうか?



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