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9月27日 都市のなかの自然(4) 「静岡市の公園は十分?」
「ここはもともとお寺や墓地などがあった場所で、路地も狭かったんですよ。」
「それをどうやって公園にしたんですか?」
「区画整理をしましてね。昭和40年代から30年もかけて行ってやっと公園が出来たんです。」
「30年ですか!」

街の中にある身近な緑、公園。
緑が安らぎを与えてくれる市民の憩いの場です。
平野部が少なく、公園の数が少ないといわれる静岡市。
実際のところはどうなんだろう?
そう思ったのが取材のきっかけでした。
手始めに私が訪れたのは、静岡市通車町にある「通車公園」。
ここは、4年前にできたばかりの比較的新しい公園です。

冒頭のやり取りは、当時の区画整理組合の委員長だった永田耕平さん77歳との会話です。
この場所で、永田さんをはじめ、
当時の区画整理委員だった3人の方に、この公園が出来るまでの経緯を伺いました。

「この辺りは古くからの住宅地密集地で木工・塗装などが多く昔は火事があると番町か田町かといわれた。」
「路地も細く、消防車もなかなか入ってこられなかった。」
区画整理前の当時の様子です。

この辺りは公園も少なく、公園を作って欲しいという住民の声が以前からありました。
また、道も細く火事や地震の際、大きな被害が心配されたことから、避難地としても公園が必要とされていました。

そこでこの状況を何とかしようと戦後しばらく経ってから区画整理の話が持ち上がりました。
実際に着工したのは昭和44年のこと。
では、区画整理事業が終わったのは?
というと、今から4年前。
なんと31年間の年月と159億円ものお金をかけてやっと区画整理は完成しました。
その際、余剰地などを利用してやっと出来たのがこの公園です。

「こんな小さな公園だけど、土曜日には子供たちが70人以上が集まるだよ。」
「夕方になれば、近所のお母さんたちも集まって井戸端会議も始まるし。」
「公園が出来てみんなの憩いの場となっているだよ。」

公園ができるまで長い時間がかかりましたが、
永田さんたちは、今、公園が地域にとっていかに重要な場所であるかを語ってくれました。

ところで、平野部が少なく公園を作る場所がないといわれる静岡市、
実際はどうなのでしょうか?

市役所で旧静岡市内の公園分布地図を見せてもらいました。
大きな地図に、公園の場所だけが緑色に塗られています。

この地図をよくみると中心市街地は、公園が少ないことが一目瞭然です。

では、市内全域ではどうでしょうか?
今年3月31日現在の静岡市の公園の数は、郊外にある小さな公園まで含め全部で408カ所、面積では357ヘクタールに上ります。
この数字を聞くとかなり多く感じますが、住民一人当たりに換算すると、5.24u。広さとしては、畳3畳分より少し広い大きさです。県内平均の7.4uを下回っています。
全国の政令市と較べてみると、静岡市は9番目で、1番の神戸のおよそ3分の1。政令市平均の6.0uをも下回り、静岡市の公園が決して多くないことが分かります。

では、どうやって公園が整備されているのか?
静岡市の公園緑地化担当者に話を聞いたところ、この財政事情の中で、どうしても予算的な都合もある。
特に土地の取得費が大きいが、時価となるとなかなか大変。
地主さんが理解してくれて無償、もしくは安価にしてもらえれば、整備も早いが名かな冠難しい。
都市計画、予算、そして住民からの公園整備の要望を総合的に判断して整備しています。」ということでした。

街の中に緑あふれる公園を作る。理想ではありますが、限られた土地と予算の中ではなかなか厳しいのが現状です。
しかし、街の中の緑は公園だけではありません。 ある方法で緑を身近に感じている人がいます。

そのある方法とは「生け垣」です。

静岡市池田の石黒照明さんは、今年家を新築するのを機に、家の周りに生垣を整備しました。
「生垣は確かにお金がかかるんです。
でも、垣根越しに「きれいに整備してますね」なんて会話をきっかけに、道を歩く人とコミュニケーションが生まれたりします。ブロック塀ではそうはいかないですよね。」
季節感があるのも楽しみの一つとも語ってくれました。

余り知られていませんが、静岡市では、街の中に緑を増やす試みとして、生け垣に補助金を出す事業を25年前から始めています。
この事業には、生け垣が増えることによって東海地震の際、倒れる塀が少なくなるというメリットもあります。

実はこの事業、目立ったPRもしなかったのですが、24件の受付枠に対して50件以上の申し込みがあり、既に今年の予算を使い切ってしまったほど人気です。
街の中に公園は多くはないけれど、生け垣で潤いある街づくり。
街に緑を増やすための現実的な対応と言えます。
そして、その生け垣の補助金事業が大人気なのは、街に緑が必要とされていることの現れと言えます。
静岡市は来春政令市に移行し、都市としての機能が大きくなります。
それだけに今、暮らしに潤いを与える緑あふれる街づくりが求められています。


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