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11月1日 医療を考える『少子化の波紋』(1) 「小児科医不足の波紋」
今や小児科医不足は全国的な問題となっていますが、旧清水市でも深刻な状況に陥っています。専門医の数が足りないため、夜間の救急体制が十分に確保できていないのが現状です。

現在静岡市では、合併後も静岡・清水両地域それぞれの病院で夜間救急を受け入れています(一市二体制)。

このうち、初期救急にあたる一次救急は、静岡地域では静岡市急病センターで。清水地域では14の個人病院が順番に担当。さらに入院を要する二次救急は、静岡地域では静岡厚生病院など5つの総合病院で順番に担当。一方の清水地域では、市立清水病院・清水厚生病院の2つの病院で順番に担当しています。

清水地域はこれまで、二次救急は3つの総合病院で受け入れてきましたが、去年4月に社会保険桜ヶ丘総合病院が医師不足で小児救急から撤退。このため、清水地域での体制を維持するのが困難になり、現在は、1カ月に十日は静岡地域の病院で清水地域の小児救急を担っているのが現状なのです。

このうち、静岡厚生病院の場合、小児救急を月に6回担当。このうち一日は清水の患者を受け入れていて、現在2人の小児科医が順番で担当しています。清水の患者を受け入れる日は、それだけ来院患者も増えます。

小児科医の小栗泉さんは、患者さんが遠方から来ることになるので負担が大きいのでは、と話していました。

清水地域で開業している小児科医、村上仁さん。静岡・清水両地域の小児救急の責任者も務める村上さんは、この問題について次のように話しています。

「小児の場合は、初期から二次救急までの時間が非常に短いので、専門の医師以外の医者(内科医など)が担うのは難しい状況です。清水地域の2病院の先生も昼間仕事をしているわけで、夜間まで丸一日やって翌日も勤務という過酷な状況なのです。」

村上さんは現在、初期救急にあたる一次救急を月におよそ三回担当。一次救急でも医師が足りず、月に四回ほどは静岡地域の病院に依頼しているほどです。
このような現状に、市民も危機感をもっています。清水地域の市民2万8千人余りが署名を集め、市議会に対策を求める陳情をしています。

清水地域に住む、小さいお子さんをもつ母親は、「やはり専門の先生に診てもらいたい気持ちはある。」「近くに専門の病院があれば安心。」と話します。
そんな中、静岡市では今年6月、医療関係者たちとの「緊急医療体制検討会」を立ち上げました。現在対策を検討している段階です。現時点で挙がっているのは次の3つの案。

(1)これまで通り、両地域の病院を拠点とする(二次救急は静岡市一体制)。
(2)医師会が要望している、東静岡地区に救急センターを造り、両地域の患者の診察体制(二次は一体制)。
(3)そして市が新たに提案した、静岡市域一体制で病院の輪番制(一次・二次両方)。

村上医師は、「これから由比・蒲原とも合併となると、なおさら広域で一つのものを作らないと、救急体制の構築ができない。」と危機感を持っています。
検討会の会長も務める、静岡市保険衛生部の木口直充部長は、「医師会、公的病院の協力を頂く中で、市民が安心して暮らせるような救急医療体制を整えたい。」と話し、医師不足などの厳しい現状を踏まえ、最善策を打ち出したいとしています。
市では、年内中にも体制のあり方を決める方針としています。しかし、今後も進むであろう少子高齢化、そして過酷な労働条件から小児科医を目指す医学生の減少などの問題がある限り、小児科医不足の打破となる抜本的な対策につながらないことに関係者は頭を痛めています。


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