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11月22日 医療を考える『少子化の波紋』(4) 「不妊治療最前線」
子供を作らない夫婦が増えている一方で、子供を欲しくてもできないという「不妊症」で悩む夫婦も増えています。そこで、県内の取り組み、そして現状と課題を取材しました。

県中部に住む39歳の女性。結婚4年目の時、「子宮内膜症」による不妊症と診断され、治療を受けてきました。

不妊症とは、結婚後避妊をしない状態で2年以上経っても子供に恵まれない夫婦と定義されていて、今や10組に1組が不妊症と言われています。

原因は妊娠成立に必要な過程のうち、男性側・精子の問題が40%、卵管以上や排卵障害・子宮内での着床障害など女性側によるものが50%、残りの10%は原因不明とされています。これらの治療として、始めに取り組まれるのが、注射をうったり、薬を飲んだり、人工授精をするのが一般的な方法です。

この女性も鼻にスプレーする形でのホルモン治療を選びました。この女性の話によると、治療中は更年期障害に似たような症状が出るそうです。

一般に不妊治療を2年間続けたとしても、妊娠率は43%。そこで、一般治療の次のステップとして夫婦に妊娠の可能性を高める技術が高度生殖医療です。県内で積極的な取り組みをしているのが聖隷三方原病院。注目を浴びているのは男性不妊に有効な「顕微受精」です。

「顕微受精」とは、卵子と精子を体外に取り出して受精させ、受精卵を子宮に戻す治療である体外受精の一種で、顕微鏡の元で、精子を直接卵子に注入して受精させる方法です。

また、受精卵を子宮に戻す際、培養期間を従来の2〜3日ではなく、ザクロのような状態になる5日間にすることで着床率を上げることが可能となりました。

こうした技術で生まれる子どもは、今や全赤ちゃんの100人に1人で、年間1万人以上と言われます。

妊娠率は20〜30%。保険は適用されず、1回あたり30万円〜40万円と、夫婦にとっては経済的な負担が大きいのが現状ですが、少子化対策を打ち出した国は、今年助成制度を設けました。また、県内3つの市や町で、国の援助に上乗せする形で助成制度が始まっています。

治療が長期化する中で、子供がいないことを負い目に女性が悩みや不安を誰にも相談できず、精神的苦痛を抱えているのも大きな問題です。

不妊カウンセラーとして多くの女性に、あせらないようにと助言してきた柴田さんは、女性にかかる負担を周囲がわかってほしいということと、不妊治療の期間は平均4年と言われていて、その期間、妻を支える夫の存在が大事であるということを話していました。

不妊で悩む、この県中部の女性は、もうすぐ40歳をむかえるにあたり、ある決断をしています。迷っていた体外受精の選択をやめたのです。この女性は、前向きに子供がいない人生を2人で頑張っていきたいと話していました。またこの女性の夫は、好きで子供をつくらない訳ではなく、つくれない夫婦がいるということを、多くの人にわかって欲しい、と話していました。

少子化対策として、産むことの要求が高まる今、高度生殖医療が大きな期待となっているのは確かです。しかし、子供を産めても、産めなくても、女性が価値観を持って生活できる社会を築いていくことが求められているのも確かです。


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