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2月28日 働くって何?(4) 「好きな仕事で働きたくて」

今回は、自分の好きな仕事に就くために技術を身に付けようとしている若者たちを取材しました。

寒さをものともせず、大勢の若者たちが足早に向かう先は、浜松市にあるヤマハピアノテクニカルアカデミー。

ピアノ調律師を養成するための養成所です。24歳以下の若者たちが、このアカデミーの門を叩き、ピアノの調律という特殊な技術を学んでいます。

この学校の入学条件の一つは、「音楽が好きなこと」。音楽に関わる仕事に就きたいと入学した学生たちの経歴は、5年間フリーターだった人や、大学を辞めてアカデミーに入学した人、ピアノに携われて技術の仕事がしたい人など、千差万別です。

ピアノの調律師とは、いわばピアノのお医者さん。打弦楽器の王様と言われるピアノはデリケートな楽器で、使っているうちにどうしても音の狂いが生じてくるのです。

それを修正するのがピアノの調律師で、音の調律はもちろん、微妙な弾き心地の違いまで調節します。

プロの調律師は、研ぎ澄まされた聴覚で、チューナーなどの機械では測定できないほどのわずかな音の狂いまで、聞き分けなければならないのです。

テクニカルアカデミーでは、ピアノ調律師や管楽器修理師になるための技術を学ぶことができますが、今までは、これらの技術は師匠の下で技を磨くというのが一般的でした。しかしここでは、わずか1年で全てのノウハウを覚えるのです。

そのため全員が養成所で寮生活。部屋には勉強に集中するために、テレビを持ち込むことは禁止です。

調律師を目指す千葉雅史さんは、学校から帰ると、すぐ机に向かって復習です。一人前の調律師になるためには、一秒たりとも無駄にできません。千葉さんは、正直大変だけど、全てをぶつけることができると話していました。
好きな仕事に就くために、自分の感覚に賭けてみようという、ピアノテクニカルアカデミーの若者たち。しかし、一日8時間以上もピアノと向き合う生活は、これから始めようとする仕事がいかに大変なことかを痛感させます。
ピアノテクニカルアカデミーの斉田 健 主任講師は、ピアノの調律師になりたいと希望をもって若者たちがアカデミーに入ってきたが、自分のイメージと、やっている仕事との間に、ギャップを感じることがあるので、仕事に対して目標を持っている若者は強い、と話していました。

 

そんな強い信念を持ち続けて40年。楽器修理一筋で生きてきた、浜松市の楽器修理工房の飯田一男さんです。楽器が好きで楽器修理の仕事に就いた飯田さんは、退職後も自宅に工房をあつらえ、楽器とともに暮らしています。

かつて飯田さんも、自分の好きな楽器の仕事に就くために修行と勉強の日々を送りました。飯田さんは、自分が好きなことをやって生活できていることが非常に光栄だと話していて、若者たちに対しては、『くじけずに、やるだけのことはやる』という言葉を残していただきました。

若者たちに『働くとは?』と質問したところ、「自分のやりたいことを一生懸命して、自分に挑戦する」、「社会人として、自分の力、腕一本でやっていくものだと思う」という言葉が返ってきました。

これから一体どのように働いていくのか?スタートラインに向かう若者たちの、楽器を見つめる瞳の奥には、自分の将来をも見つめている、そんな真剣さが感じられました。



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